富士が心に映る日
- ytwa98
- 2020年12月10日
- 読了時間: 1分

夏の富士は化粧もせず、山肌を露わにしているだけで味気ない。それに対して冬の富士はちゃんと化粧を施し、雲という衣装を身に纏って様々な美しい姿で私たちの目を楽しませてくれる。北斎は、季節、場所、その日の気象条件によって表情を変える富士を浮世絵にしたためたが、その北斎が描いた情景を自分の目にも焼き付けたいと、浮世絵のアングルを探し歩く外国人も多いと聞く。しかし、今の日本には彼等の姿はほとんど無い。そして、「富嶽」に代わり、私たちに馴染んできたのはむしろ「富岳」の方だ。多彩で科学的なシミュレーションは参考になるが、恐怖心を煽るようにも思えるのは、きっと“スーパー”なコンピューターだからなのだろう。何も気にせず、写真のような富士を眺められる日を、早く迎えたい。
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